FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第605回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    NHK BSプレミアム・ザ プレミアム「おそろし ~ 三島屋変調百物語」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [中村由利子]
    ♪ 最終夜 放送では、開始 36分09秒から流れた劇伴がリスト対象です。
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    NHK BSプレミアム・プレミアムよるドラマ「タイムスパイラル」劇中効果音楽 [池頼広]
  3. 第 3 位 ( ★ )
    Boston “Don’t Look Back”
    ♪ FM長野のJFNネット番組で聴いた、大胆な調性を感じさせるプログレ・ハードの佳曲。
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    チューリップ「博多っ子純情」
    ♪ 作曲は 姫野達也。
  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    JUJU「ラストシーン」
    NHK総合・ドラマ10「聖女」主題歌

 いくら期首の度に新作ドラマを追ってみても、最近では なかなか良質のドラマシリーズを視聴する機会がありません。織りなすストーリーが パターン化してしまっており、かつ配役された若手俳優・女優の技量不足が目立っている点に、原因があるのだと思います。力不足の俳優達が内輪受けに甘んじ、満足そうに演じてるのも気になります。これでは 学芸会レベルです。

 過去のテレビドラマに遡っても、ストーリー・演技の質に加えて、劇伴音楽の美しさまでを求めると、真に良質のドラマを探し出すのは 難しいのですが、このブログでも紹介したNHK土曜ドラマ「芙蓉の人」に続いて、幸運にもまた優れたドラマシリーズを見つけました。NHK BSプレミアムで放送されていたザ・プレミアム「おそろし ~ 三島屋変調百物語」です。

 江戸 神田の袋物屋「三島屋」の主人・伊兵衛(佐野史郎)は、碁会の部屋である「黒白の間」に訪ねてくる人たちから、怪奇に満ちた「変わり百物語」の聞き役になるよう、姪のおちか(波瑠)に勧めます。三島屋の黒白の間で繰り広げられる妖気漂う物語と、おちか自身が実体験をした凄絶な物語。4夜に渡る「変わり百物語」が、最終夜の話に 総て複合されていくのです。

 聞き役として録っていた おちか自身も、逃れられない妖気に巻き込まれます。最終夜「家鳴り」は、第1夜の 豊原功補 や 第3夜の 半海一晃、螢雪次朗らの犠牲者たちと一緒に、家鳴りを起こす妖気に対峙します。その元凶である蔵に意を決し入っていく おちかは、実に毅然とした姿で描写されており、その時に流れた劇伴音楽は、心底に沁みていく様な美しさでした。

 宮部みゆき原作の時代劇では、11年ほど前に、週間選曲リストで、坂田晃一 制作による「茂七の事件簿3 ふしぎ草紙」の劇伴が 1位を記録しています。素晴らしい和声の劇伴でしたが、中村由利子が制作した今回の「おそろし ~ 三島屋変調百物語」は、それを凌ぐ美しい劇伴でした。今週の週間選曲リストで 1位を記録しており、そのリスト対象は 前述の劇伴です。

 NHKでは、BSで本放送されたドラマが、地上波の総合テレビでも放送される例が、最近増えてきました。民放でも良質の時代劇やドラマが、活況を呈しているBSで企画されています。その様な良質のドラマが、地上波で企画されにくい現状があるとするならば、改めていくべきだと思います。良質なテレビドラマの企画は、まず過剰な競争原理から解放される事が先決です。

 NHK BSプレミアムで放送された、ザ・プレミアム「おそろし ~ 三島屋変調百物語」全 5話のシリーズは、極めて完成度が高いテレビ時代劇作品です。清廉された実力俳優によるキャスティングと、言霊が宿っているかの様な品位に満ちた台詞回し、さらに丁寧な時代背景の設定と、妖気の中に本当の安らぎが垣間見える、実に練り上げられた優秀な時代劇でした。


ブログ開始は 2003年です。

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