FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第150回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    D.D.D “Heart”
    ABN テレ朝・金曜ナイト ドラマ「着信アリ」主題歌
  2. 第 2 位 ( ▽ )
    ABN テレ朝・ドラマ「相棒」テーマ音楽 [池頼広]
  3. 第 3 位 ( △ )
    NHK総合・金曜時代劇「慶次郎縁側日記」テーマ音楽 [川崎真弘]
  4. 第 4 位 ( ★ )
    ABN テレ朝・土曜ワイド劇場「ハラハラ刑事2 ~ 危険な二人の犯罪捜査」テーマ音楽 [義野裕明]
    ♪ 単発の2時間サスペンスドラマですが、粋なタイトルバックと ビートを乗せたセンスのいいテーマ佳曲。
  5. 第 5 位 ( ▽ )
    加藤ミリア「ジョウネツ」

 私が小学生の頃から、TBSテレビは 平日夕方に帯で再放送をしていました。それを通っていた小学校の視聴覚室にこっそり入り込み、当時利用されていた分岐できるジャックにイヤホンをつけて、友達と視ていた思い出があります(笑)。全国のテレビ局で「水戸黄門」も含めて長年頻繁に再放送できるのは、制作会社C・A・Lが著作権を単独で保有しているからです。

 「大岡越前」(1970年 3月 ~ 1999年 3月・全15部 402話 本放送)は、その希有な形態の時代劇のひとつです。主役の大岡越前に 加藤剛。榊原伊織:竹脇無我、雪絵:宇津宮雅代、村上源次郎:大坂志郎、すっとびの辰三:高橋元太郎、神山左門:天知茂、徳川吉宗:山口崇、大岡妙:加藤治子。そして大岡忠高役に「御大」片岡千恵蔵が配役されています。

 この第1部レギュラー出演者達がベースとなり、まるでホームドラマの様な雰囲気を醸し出す、完成された時代劇を造り上げました。大岡越前のラストは、奉行による吟味 つまり 御白洲場面が多いのですが、水戸黄門や 遠山の金さん の様なストーリーの固定パターンがありません。それだけ練り上がったエピソードが沢山観られ、通な時代劇ファンの支持が厚いのです。

 なんと言っても決定的な魅力は、あの「テーマ音楽」です。オリジナル全奏は 第3部から使われている、山下毅雄 氏作曲の『大岡越前・テーマ音楽』は、日本人の心情へ奥深く訴える和声に、ジャズの要素を取り入れた全く独創的な調性であり、歴代テレビ番組テーマ音楽の中で最高の作品だと思っています。口笛にスキャット。さらにラストの劇的な転調は 傑出した要素です。

 あの劇的な転調は、山下毅雄 氏の独壇場と言うべきもので、ルパン三世 第1シリーズのエピソード「雨の午後はヤバイぜ」のラストに流れたトラックにも、その片鱗が現れています。また同じ山下毅雄 氏の「鬼平犯科帳‘69」テーマ音楽も神域に達するほど美しいのですが『大岡越前・テーマ音楽』こそ、やはり劇伴音楽においての最高傑作だと、私は信じています。

 また本放送がやはり月曜夜 8時だった「大岡越前」と同形態なC・A・L制作著作の作品があります。徳川幕府 最初のクーデター未遂事件である慶安の変(由井正雪事件)を描いています。その知る人ぞ知る主演・竹脇無我による傑作時代劇「江戸を斬る」シリーズ・第1作「梓右近隠密帳」(1973年 9月 ~ 1974年 3月 本放送)も、劇伴は 山下毅雄 氏が担当しました。

 テーマ音楽は、スキャット と 得意の口笛をアクセントにした「大岡越前」の和声をベースに、さらに洗練された旋律 と 緻密な和音構成の作品です。当時の江戸市街地図を使ったタイトルバックも極めて優れています。私が最も尊敬する音楽家こそ 山下毅雄 氏その人でした。私が敬愛してやまない山下毅雄 氏が、21日に ご逝去されました。。75歳でした。


ブログ開始は 2003年です。

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