FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第445回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( △ )
    abn テレ朝・ドラマ「新・警視庁捜査一課9係」劇中効果音楽 [吉川清之]
  2. 第 2 位 ( ▽ )
    尾崎亜美「愛のはじまり」
    NHKラジオ第1放送「ラジオ深夜便」深夜便のうた
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    LOVE PSYCHEDELICO “Shadow behind”
    NBS フジ・ドラマ「絶対零度 ~ 特殊犯罪潜入捜査」オープニング テーマ
  4. 第 4 位 ( ★ )
    都竹宏樹「青いバス」
    NHK総合・紀行番組「のんびり ゆったり 路線バスの旅」テーマソング
    ♪ ラストの小節が心に残る様にアレンジされた佳曲。
  5. 第 5 位 ( ▽ )
    やしきたかじん「焼けた道」
    CS 時代劇専門チャンネル・時代劇「新・木枯し紋次郎」主題歌

 8月29日に行われた民主党代表選挙は、野田佳彦 財務大臣が、新代表に選出されました。今回の代表選は、一般党員・サポーターが参加せず、党所属衆参国会議員だけの投票で行われています。第1回の投票は、海江田 経済産業大臣が、143票でトップでした。しかし 上位候補による決選投票では、2位以下の候補者で連合が成立し、逆転で当選者が決まりました。

 【決選投票 獲得得票数:野田佳彦 候補 215 海江田万里 候補 177】

 11時から始まった両院議員総会では、代表選投票前に 各候補 15分ずつの政見演説がありました。野田 新代表は、金魚には なれないドジョウだとか(笑)人気がないから解散はしないとか、息が詰まる様な投開票会場で 2回笑いを取るなど、そのスピーチに他候補と比べて上手さがありました。自分をドジョウに例えた宰相は、太政官制に遡っても(笑)初めてです。

 強烈な印象を野田 新代表は 残し、投開票に結果となって現れました。民主党代表が選出された翌日には、国会で内閣総理大臣指名選挙が行われています。参議院では、1回目の投票で過半数を超えた国会議員がなく、谷垣貞一 自民党総裁との決選投票になり、午後 2時08分に、最多得票を得た野田佳彦 民主党代表が、第95代(62人目)の内閣総理大臣に選出されました。

 【内閣総理大臣指名獲得 得票率:衆議院 64・7% 参議院 45・6%(決選投票 45・6%)】

 ところが指名の後、一気に組閣しませんでした。人事に日数を費やしている間は、憲法 第71条の規定により、総辞職した菅内閣が そのまま職務執行内閣として残ります。東日本大震災に見舞われた今年、この様な国政の空白期間を設けるのは いかがなものかと気になりました。結局 9月 1日の総合防災訓練は、菅 前総理以下の職務執行内閣の閣僚が参加しています。

 組閣は、1日 午後あたりから情報が漏れ始め、まず岩手県選挙区選出の参議院議員でもある平野達男 東日本大震災復興対策担当大臣が再任。新設される原子力安全庁が環境省外局として置かれる事に伴い、環境大臣兼任で細野豪志 原発事故担当大臣も再任されます。さらに蓮舫(本名・村田蓮舫)総理大臣補佐官が、行政刷新・公務員制度改革担当大臣へ返り咲きました。

 2日 朝からは 組閣情報も一気に広まり、20年ほど前に開票速報のキャスターも勤めた、元NHKアナウンサー 小宮山洋子 衆議院議員が 厚生労働大臣に新任との情報が伝わりました。代表選で決選投票逆転の立役者となった、鹿野道彦 農林水産大臣も再任との情報もメディアから流れます。そして午前 10時50分に、藤村修 内閣官房長官が閣僚名簿を発表しました。

 【内閣総理大臣臨時代理 就任予定者 官報掲載順位:1位・藤村修 内閣官房長官 2位・鹿野道彦 農林水産大臣 3位・川端達夫 総務大臣 4位・山岡賢次 国家公安委員長 5位・前田武志 国土交通大臣】

 小沢一郎 元幹事長は、党員資格停止ですが民主党党員として党籍を有しています。そして この日本に ただ一人残っている自民党領袖なのです。民主党代表選挙は 3連敗ですし(笑)菅 前総理との内閣不信任決議を巡る政争も負けたのですが、田中角栄 元総理大臣が開発した国政選挙集票システムの技能を、ただ一人承継している政治家であり、その事が権力の源泉なのです。

 加えて その権力に固執しないプッツン・雲隠れ(笑)も突然交えるのですから、常人の理解を超えたものを感じます。小沢・反小沢と言うより、親小沢・嫌小沢で、政治家が分けられる事に、この国の不幸の緒端があるのかも知れません。これらの問題点が、まだおざなりです。さらに小沢一郎 元幹事長がとった、東日本大震災直後の雲隠れにも、強い疑問を持っています。

 中選挙区時代も含めて自らの選挙区である岩手県が、東日本大震災で あれだけ被災したのにも係わらず、3月11日から約 1週間ほど、初動の政治行動が全く伝わりませんでした。ホームページすら更新がなかったのです。この東日本大震災直後の 1週間は、政治家として致命的な雲隠れだとも思えます。もし田中角栄 元首相ならば、被災地で陣頭指揮をとっていたはずです。

 菅 前総理は、3月11日に総理大臣だった者の責任だと、僅少の任期の中で福島県を訪れており、小沢一郎 元幹事長の行動よりも、理解し易いものがあります。私は、ドジョウに例えた野田 新総理に好感を持っています(笑)。まだ国難は続いているのです。どうかパフォーマンス か 雲隠れ(笑)の二者択一ではなく、地を這う様に泥臭くても堅実な国政を期待しています。


(追記) 内閣総理大臣臨時代理 就任予定者 官報掲載順位は、4日に加筆追記しました。

第446回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    abn テレ朝・ドラマ「新・警視庁捜査一課9係」劇中効果音楽 [吉川清之]
  2. 第 2 位 ( △ )
    LOVE PSYCHEDELICO “Shadow behind”
    NBS フジ・ドラマ「絶対零度 ~ 特殊犯罪潜入捜査」オープニング テーマ
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    尾崎亜美「愛のはじまり」
    NHKラジオ第1放送「ラジオ深夜便」深夜便のうた
  4. 第 4 位 ( ★ )
    GARNET CROW “Misty Mystery”
    TSB YTV・アニメ「名探偵コナン」オープニング テーマ
    ♪ 打ち込みのデジタルロックですが、不思議な叙情性を感じる佳曲。
  5. 第 5 位 ( ▽ )
    都竹宏樹「青いバス」
    NHK総合・紀行番組「のんびり ゆったり 路線バスの旅」テーマソング

 東日本大震災から 6ヵ月が経過しようとしています。FMラジオを聴いていると、NHK-FMは、通常番組に戻りましたが、未だ番組の端々に大震災の影響が色濃く残っています。一方FM長野に関して言えば、JFNの全国ネット番組を中心として、ほぼ震災前の雰囲気に戻ってきました。M1F1層を過剰に意識した、例の「カラ元気」的な発声がまた目立ってきたのです。

 大震災当日 最も津波被害が出ている時間に、被害の発生を知りながら、平然と生弾き語りをオンエアーしていたパーソナリティがいました。これは不謹慎というより、スタッフ全員に至るまで罪科を背負う行為です。元々大震災前から、ラジオショッピングなどの影響もあり、とにかくパーソナリティが早口で、カラ元気を演じている事例が、軽薄の元凶として多くあったのです。

 以前のFM東京は、音楽を愛する総ての年齢層を対象として、全番組のトークの口調が穏やかで、洗練されていました。目先の聴取率競争に囚われず、ステーションカラーを貫いていれば、今頃高い人気を保っていたはずです。カラ元気を用い巣くっている、M1F1層に迎合したパーソナリティ、スタッフ、そして番組を、オールリセットするのは、並大抵の事でありません。

 番組にしろ、CMにしろ、カラ元気を出さなければならない理由は 実に単純です。聴かされるリスナーの年齢層でなく知的水準を、だいぶ下に設定している事が、まずベースにあります。その知的水準に対して、カラ元気を演ずる事により、パーソナリティやスタッフが、根拠のない自己満足と当て嵌めの評価を得ているのです。これでは ラジオメディアが、稚戯化してしまいます。

 大震災が起きた直後、あるラジオ番組で被災者の皆さんへプレゼントしますと、稚拙な元気ソングを被災地外からリクエストし、採用された事実がありました。生命の危機がある被災者に対して、こんなに残酷になれるリスナーと、番組スタッフが他にいるでしょうか? カラ元気に対して好感を持つリスナーとは、人の心を表面的にしか見られない、この様な輩に他なりません。

 東日本大震災は、カラ元気だけが増長していたラジオメディアを、晒す結果になりました。これでは ラジオ保有が少な過ぎて、非常用ラジオの寄付を受けざるを得ない事態になる訳です。寄付を呼びかけたパーソナリティーなら、カラ元気は 恥ずかしい事だとまず自覚すべきです。ラジオメディアから軽薄なカラ元気が一掃されるのは、果たしていつになるのでしょうか?

第447回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    abn テレ朝・ドラマ「新・警視庁捜査一課9係」劇中効果音楽 [吉川清之]
    ♪ 今シーズン最終回でもリスト対象の劇伴音楽が使用されていた。
  2. 第 2 位 ( △ )
    GANET CROW “Misty Mystery”
    TSB YTV・アニメ「名探偵コナン」オープニング テーマ
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    LOVE PSYCHEDELICO “Shadow behind”
    NBS フジ・ドラマ「絶対零度 ~ 特殊犯罪潜入捜査」オープニング テーマ
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    尾崎亜美「愛のはじまり」
    NHKラジオ第1放送「ラジオ深夜便」深夜便のうた
  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    都竹宏樹「青いバス」
    NHK総合・紀行番組「のんびり ゆったり 路線バスの旅」テーマソング

 11日は、東日本大震災から半年となる日でした。NHK総合は、東日本大震災 発災の午後2時46分に、被災地からの黙祷を生中継しました。年単位でなく、発災から 半年 つまり 6ヵ月経過した日に追悼行事を生中継する例は 殆どありません。今思えば 2011年 3月11日は、日本国中のあらゆるテレビ・ラジオ放送が、前例なき報道体制をとった1日でした。

 その 2011年 3月11日は 金曜日でした。このブログの週間選曲リスト と 週間放送視聴日記は、ギリギリまで遅れましたが、午後 11時43分に通常通り更新しています。2011 上半期順位の週では、東日本大震災から直後の週間選曲リストの状況を振り返っています。今回は、半年経った段階で、東日本大震災当日の週間放送視聴日記の内容を検証してみました。

 大震災や それに伴う大津波は、ほぼ判明した状況に則して書いてあります。しかし、福島第1原発事故に関しては、午後 11時43分の段階でも事故の詳細が伝わっておらず、緊急炉心冷却装置停止の可能性が生じたとだけ書かれています。実際は この時点で、最悪の炉心溶融(メルトダウン)が始まっていました。但し 原子力緊急事態宣言の発令は、その通り書かれています。

 その福島第1原発事故は、作業員の懸命の努力で、少しずつ改善の方向へ向かっています。しかし、この未曽有の原発事故の収束は、まだ端緒にも至っていません。半年経った今でも、国難と断じられる 東日本大震災は 続いています。国民は 無行動で批判しかしない政治に辟易しており、野田新内閣は 発足直後のNHK世論調査で 60%という高支持率をマークしました。

 しかし、野田 新内閣の重要閣僚である鉢呂吉雄 経済産業大臣が、失言の責任を取って僅か 9日で辞任。「放射能がうつるぞ」発言は、たとえオフレコ記者懇談の席でも主管国務大臣として、全く稚拙で話になりません。東海テレビの放送事故、そして松本龍 前復興担当大臣が起こした被災地での恫喝騒ぎといい、何かに取りつかれたかの様な信じられないケースばかりです。

 ブログでも東海テレビの放送事故の原因は、児童心理の範疇だと書きましたが、国務大臣やマスコミ関係者レベルに、子供達へするような精神ケアが必要だとしたら、完全に論外です。そんな不祥事が続く中、延期されていた岩手県知事選・県議選の投開票があり、私は radikoの復興支援プロジェクトを通じて、IBC(岩手放送)ラジオの開票速報を聴きました。

 岩手県知事選は、現職知事が午後 8時ジャストに当確。岩手県議選では、地域政党いわて が 4議席を獲得し、盛岡選挙区では トップ当選しています。芽吹きを感じさせる開票速報でした。11月には 宮城県議選、そして福島県議選が予定されており、これらの延期した地方選挙が執行すると、全国で選挙事務が一応正常化したシグナルとなり、衆議院解散は 可能となります。

 被災地の復興が、何よりも急務の中で、野田 総理は、民主党代表選の政権演説の際に「人気がでないから解散はしない」(笑)と明言していましたが、果してどうでしょうか? 参議院も定数格差が違憲状態にあり、選挙制度の抜本的改革も急務となっています。発災時の政権政党にとって、国民に信を問う国政選挙は、避けようとしても、一日一日近づいてきています。

第448回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( △ )
    GANET CROW “Misty Mystery”
    TSB YTV・アニメ「名探偵コナン」オープニング テーマ
  2. 第 2 位 ( △ )
    尾崎亜美「愛のはじまり」
    NHKラジオ第1放送「ラジオ深夜便」深夜便のうた
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    abn テレ朝・ドラマ「新・警視庁捜査一課9係」劇中効果音楽 [吉川清之]
    ♪ 2012年 7月に再登場しています。
  4. 第 4 位 ( ☆ )
    CS 時代劇専門チャンネル・時代劇「鬼平犯科帳 ‘69 ‘71」テーマ音楽 [山下毅雄]
    ♪ 2012年 9月に再登場しています。
  5. 第 5 位 ( ★ )
    NHK総合・ドラマ10「ラストマネー ~ 愛の値段」劇中効果音楽 [林ゆうき]
    ♪ 豊かな和音を連結する旋律の巧みな劇伴音楽。

 IPサイマル放送の“radiko”が、10月 3日 正午から 長野県エリアで実用化試験配信を開始すると発表になりました。長野県のほか、静岡県・石川県・鹿児島県エリアでも実用化試験配信を始めます。現在“radiko”は、首都圏・関西圏・中京圏のほか北海道・福岡県・広島県で、本配信や実用化試験配信が続いており、サービスエリアを拡大しつつあります。

 さらに“radiko”は、 復興支援プロジェクトとして、東日本大震災 被災 3県のラジオ放送を全国に配信しています。長野県エリアでは、FM長野 と SBCラジオをまず配信。その後 全国短波放送である ラジオNIKKEI(ラジオ日経)が加わる事も想定されており、いよいよCMを含むFM長野の総ての放送を、インターネットで同時に聴ける時代が到来しました。

 NHKラジオでは、1日から 独自のIPサイマル放送“らじる☆らじる”をスタートさせました。全国で NHKラジオ第1放送第2放送 そしてFM放送を、ネット端末で聴く事が出来ます。但しローカルニュースの放送枠は、首都圏ニュースが配信され、時報や緊急地震速報は配信されません。ニュースの速報性を自ら阻却する様で、少し硬直的な考え方だと思います。

 また“radiko”が配信エリア外の聴取に対し、ブロックをかけると同様に、同じIPアドレスによる地域判定で、海外での聴取へもブロックをかけたのには 問題があります。NHKの国際放送「ラジオ日本」では、毎時 55分から 海外安全情報を流す他、ほぼサイマルでラジオ第1放送を聴く事が出来るのです。それ故に海外でのブロックが意味あるのかは 疑問です。

 “らじる☆らじる”という、独善的なネーミングと、センスの悪さは別として(笑)ネット端末でIPサイマル放送が聴く事が出来る様になりつつある現状から、ラジオメディアのデジタル化は、このIPサイマル放送でまず足りると思っています。莫大な設備投資もかからずリスナーサイドからみても、難聴取地区解消やデジタル化による音質改善などの恩恵が得られます。

 ラジオメディアも、デジタル化という方向性を模索していますが、ラジオ業界にテレビジョンの様な完全デジタル化を決行する体力はありません。意地になって、無理にラジオの全伝搬をデジタル化へ向わせるのではなく、本局 送信所 と 中継所間のエア受け(放送波受信中継)を まずデジタル化するとか、出来るところから創意工夫でデジタル化の実を取るべきです。

 東日本大震災では、アナログラジオが 情報ツールとして威力を発揮しました。アナログラジオには、存在する意義があります。ラジオ業界が先細りになっても、その先細りの先に残ったラジオ局こそ、真の意味で存在価値のあるラジオ局だと思うのです。掛け値なしの聴取率への影響度など、まだ課題はありますが、IPサイマル放送が これから普及する事を願っています。


(追記) radiko と ラジオ聴取率の統計学的関連性について、週間放送視聴日記「第19回 国勢調査 結果速報」で考察しています。

第449回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    GANET CROW “Misty Mystery”
    TSB YTV・アニメ「名探偵コナン」オープニング テーマ
  2. 第 2 位 ( △ )
    NHK総合・ドラマ10「ラストマネー ~ 愛の値段」劇中効果音楽 [林ゆうき]
  3. 第 3 位 ( ★ )
    ジプシーキングス「インスピレーション」
    NBS フジ・金曜プレステージ「鬼平犯科帳スペシャル」エンディング テーマ
    ♪ 絶対欠かす事が出来ないエンド タイトルバックを彩る秀逸曲。洋楽ですが、例外で曲目等を原語表記していません。
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    尾崎亜美「愛のはじまり」
    NHKラジオ第1放送「ラジオ深夜便」深夜便のうた
  5. 第 5 位 ( ☆ )
    都竹宏樹「青いバス」
    NHK総合・紀行番組「のんびり ゆったり 路線バスの旅」テーマソング

 42年間続いていた SBC(TBS)ナショナル劇場「水戸黄門」が、打ち切りと発表になりました。「水戸黄門」に関しては、長年にわたって高視聴率をマークしていましたが、最近では 月曜夜の本放送より、平日夕方の再放送の視聴率が高いという逆転現象もあり、制作能力の低下も指摘されていました。引き潮の様に、地上波時代劇からの制作撤退が相次いでいます。

 そんな地上波時代劇が衰退する流れの中、30日に NBS(フジ)金曜プレステージ枠で「鬼平犯科帳スペシャル ~ 盗賊婚礼」が放送されました。鬼平犯科帳スペシャルは 好評で、2010年 6月18日に放送された「高萩の捨五郎」の視聴率が 13・9% 。2011年 4月15日 放送された「一寸の虫」は 14・3%と、高い数字をマークし続けています。

 原作者である故・池波正太郎 氏の強い指示により、オリジナルに基づかない制作をせず、既にレギュラー放送された 139本で原作は ほぼ使い切り、現在リメイクでスペシャルが制作されています。平成最高の時代劇との声もある「鬼平犯科帳」も歳月を重ね、主役の中村吉右衛門が、遂に歌舞伎俳優として人間国宝(重要無形文化財保持者)の地位まで昇りつめました。

 味のある老密偵である相模の彦十 役は、三代目 江戸家猫八 氏から 長門裕之 氏へバトン タッチしましたが、両名とも お亡くなりになりました。江戸家猫八 氏の相模の彦十こそ、まさにハマリ役でした。また初代ナレーターの中西龍 元NHKアナウンサーは、鬼平ナレーション担当中に大病を患い、第6シリーズ辺りで、弱々しい声になってしまったのが大変残念でした。

 歴代NHKアナウンサーの中で、最も技量が優れたアナウンサーを 5人挙げるとすれば、和田信賢・宮田輝・高橋圭三・青木一雄そして中西龍です。中西龍 アナの独特の抑揚とリズムによる朗読能力は、NHKアナウンサー随一でした。特に長年担当されたNHKラジオ第1放送「ひるのいこい」や「にっぽんのメロディー」は、ラジオ番組として絶品の味わいがありました。

 とりわけ勤務シフトから担当されたラジオ第2放送「気象通報」が圧巻で、無機質とも言える気象データの読み上げに、まるで観測地点の風景が飛び出してくる様な世界観を、ラジオのスピーカーから醸し出していました。中西龍 元アナが 亡くなられた後に担当されたのが、名声優の仁内建之 氏でしたが、第7 ~ 8シリーズを担当しただけで逝去が続いてしまったのです。

 フジテレビの鬼平犯科帳シリーズは、23年続いています。この間 一貫してプロデュースしてきたのが 能村庸一 氏です。フジテレビの時代劇プロデューサーとして、同局の時代劇を数多く企画・制作してきました。鬼平犯科帳シリーズでも、ジプシーキングス「インスピレーション」が流れるスタッフ クレジットの冒頭に、プロデューサーや企画者として紹介され続けています。

 実は 能村庸一 氏は、フジテレビへアナウンサーとして入局しています。そして仁内建之 氏の後を継ぎ、三代目ナレーターを勤めているのが、その能村庸一 氏です。プロデューサー自らナレーションを勤めるドラマは、テレビ史上初めての事だと思います。現在 鬼平犯科帳でナレーションを担当している 能村太郎 氏とは、プロデューサーである 能村庸一 氏ご本人なのです。


ブログ開始は 2003年です。

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