FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第24回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( △ )
    TSB YTV・ドラマ「伝説のマダム」劇中効果音楽 [中村竜哉]
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    元ちとせ「千の夜 と 千の昼」
    コカ・コーラ日本茶飲料 テレビCMソング
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    諫山実生「朝陽の中で微笑んで」
    ABN テレ朝・ドラマ「動物のお医者さん」主題歌
  4. 第 4 位 ( ☆ )
    NHK総合・ドキュメンタリー番組「地球に乾杯」テーマ音楽 [羽毛田丈史]
  5. 第 5 位 ( ▽ )
    NHK総合・外国テレビドラマ「ER ~ 緊急救命室」テーマ音楽 [Martin Davich]
    ♪ 1位 2週、登場10週。

 録画テープの整理を 今週も続けています。その整理の傍ら、また懐かしのテレビ ドラマを視てしまいました(笑)。浅野温子が主演した「沙粧妙子 最後の事件」(フジテレビ系・1995年 7月 ~ 9月・本放送)。人間の「悪意」と「理性」を主題とした異色の刑事ドラマシリーズです。もう今では、この様な踏み込んだドラマは、制作できないかも知れません。

 「ツイン・ピークス」の影響を受けたかの様な遺体映像の美的効果や、劇中で使われる“薔薇の花びら”に象徴されていく猟奇的犯罪が、次から次と描かれているため、放送倫理上 限界点のドラマ作品と看做されています。しかし、それらを大きくクリアしてしまう、圧倒的な劇伴音楽効果によって相乗したストーリーの展開が、このドラマの強い魅力でもあるのです。

 主役の沙粧妙子 役に 浅野温子。池波 技官:佐野史郎、松岡 刑事:柳葉敏郎、高坂 警部:蟹江敬三、妹・沙粧美代子:黒谷友香が客演しています。佐野史郎 と 蟹江敬三は、1990年のNHK大河ドラマ「翔ぶが如く」で、有村俊斎・大山格之助という薩摩 維新志士の中では、コンビ的存在でした。しかし このドラマでは、決定的な敵同士の展開になります。

 蟹江敬三は、ドラマ「Gメン’75」シリーズで、日本サスペンスドラマ史上 最兇の犯人役・望月源治を演じました。その蟹江敬三が、このドラマでは、最後まで筋の通った高坂 警部を演じ、視聴後ある種の感慨すら残ります。また佐野史郎も、全出演テレビドラマの中で、この「沙粧妙子 最後の事件」こそ、彼の底知れぬ演技力が 最も表現された作品だと思っています。

 全国のテレビ局を通じても再放送が少なく、DVDにもならず、異端のサイコスリラーという評判を、このドラマは 超えられずにいます。それでもなお素晴らしい作品と言い切れるのは、岩代太郎 の創った劇伴音楽が、ドラマ全編を貫いているからです。テーマ音楽を始め、劇伴音楽ひとつ ひとつの完成度の高さは、総てのテレビドラマを通じても最高水準に達しています。

 名優・佐野史郎の独壇場となった、凄惨な第10回ラスト 6分間にフルで流れたテーマ音楽は、タイトルバックで流れているテーマ音楽を凌駕するほど鮮やかに美しく、岩代太郎の音楽なくして 沙粧妙子 最後の事件 が成立しない事を、この 1点だけでも証明しています。「沙粧妙子 最後の事件」は、テレビドラマにおける劇伴音楽の重要性を強く認識できる作品です。


(追記) 「沙粧妙子 最後の事件」の録画は、第10回(1995年 9月13日)と 最終回(1995年 9月20日)の本放送を、CMカットせずデジタル化し、MPEGファイルで放送資料保存を続けています。

(追記) 2010年 6月「沙粧妙子 最後の事件」のDVD-BOXが、発売となりました。


ブログ開始は 2003年です。

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