第37回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
諫山実生「恋花火」
NHK教育・ミニ音楽番組「みんなのうた」8 ~ 9月 オンエアー曲 - 第 2 位 ( △ )
GABALL ~ feat.Joanne「幸せの表現」
TSB YTV・ドラマ「14ケ月」主題歌 - 第 3 位 ( ▽ )
SING LIKE TALKING “Hello”
ABN テレ朝・木曜ドラマ「菊次郎 と さき」主題歌
♪ 1位 2週、登場 7週。 - 第 4 位 ( ☆ )
NHK総合・ドキュメンタリー番組「地球に乾杯」テーマ音楽 [羽毛田丈史] - 第 5 位 ( ⇒ )
day after tomorrow “These Days”
NBS フジ・ドキュメンタリー番組「奇跡体験!アンビリバボー」エンディング テーマ曲
ABN長野朝日放送(テレ朝系)木曜ドラマ「菊次郎 と さき」が、11日に最終回を迎えました。ビートたけし 氏の自叙伝を題材にしたテレビ ドラマは、NHK総合で放送された銀河テレビ小説「たけしクン、ハイ!」(1985年 7月15日 ~ 8月 2日・全 15話 本放送)も 制作された事がありましたが、民放でありながら、それを凌ぐ素晴らしいドラマでした。
ビートたけし 氏の両親である、北野菊次郎 氏 と 北野さき 氏は、なんと魅力的な人物なのでしょうか。北野菊次郎 役の陣内孝則は、見事な泣き芸も演じ まさにハマリ役でした。酒がないと話も出来ないほどの照れ屋で、ドメスティック バイオレンスの見本市(笑)の様な存在ですが、ペンキ屋(塗装業)の腕は抜群で、裏表のない父親を 見事に演じ切ったと思います。
また、北野さき 役の室井滋には、子供達に対する徹底した教育熱心さから、高度成長社会を信じ切った愚直なまでの愛情のほとばしりを感じます。あの北野家で繰り広げられるドタバタ劇は、本当の肉親だからこその愛情表現の発露だと深く解るのです。住まいする人々に連帯感があった昭和 30年代の下町の町並みは、懐かしさを超えて戦後日本の原風景だと思えてきます。
2001年の新春スペシャルドラマで、この二人が「菊次郎 と さき」を演じて以来「ぜひとも帯ドラマを」との声が高く、全 11回の木曜ドラマになりました。特に最終回 放送の長男・北野重一(賀集利樹)と 牧野久美子(京野ことみ)の祝言で、棟梁・左弦三(長門裕之)が作った御輿に、花嫁衣裳の久美子を乗せた嫁入り道中には、感動すら覚えてしまいました。
坂田晃一が制作した劇伴音楽は「昨日、悲別で」で使った情感に訴える旋律 と 連結和音を再構成したものです。この「菊次郎 と さき」の劇伴を、坂田晃一にライティングさせたのは、最大の成功要因だと思っています。またSING LIKE TALKINGの主題歌も、エンディングにマッチした佳曲です。このドラマには、優れた和声感のある音楽に満ちています。
祖母・北野うし(草笛光子)を始め、北野家と それを囲む人々は、荒々しさがあるものの(笑)全員優しい心の持ち主ばかりです。ドラマ上の事とは言え、末っ子として生まれた武が、小さくても素晴らしい世界で育った故に、その後「世界の北野」となったのだと、強い必然性すら感じます。視聴率も好調だった、この木曜ドラマ「菊次郎 と さき」の続編が待たれます。
(追記) 2005年 7月から 9月まで、続編となる第2シリーズが放送されました。