第184回ランキング
- 第 1 位 ( △ )
柴田淳「紅蓮の月」
NBS 東海テレビ・ドラマ「美しい罠」主題歌 - 第 2 位 ( ▽ )
NHK総合・報道番組「特報首都圏」テーマ音楽 [書上奈朋子] - 第 3 位 ( △ )
GARNET CROW「まぼろし」
abn テレ朝・木曜ミステリー「新・科捜研の女」主題歌 - 第 4 位 ( ★ )
NHK総合・ドキュメンタリー番組「プロフェッショナル ~ 仕事の流儀」演出効果音楽 [村井秀清]
♪ パーカッション と キーボードで畳み掛ける優れたBG佳曲。 - 第 5 位 ( ▽ )
宇多田ヒカル “THIS IS LOVE”
日清食品 テレビCMソング
♪ 1位 2週、登場 9週。
「週間選曲リスト」の作成は 大変です(笑)。毎週公開していくためには、主題歌や 劇伴音楽のチェックが不可欠であり、新作テレビドラマを出来得る限り視なければなりません。ただ実際の選曲は、劇伴音楽なら和声感や 調性感に基づくインスピレーションが大切で、そのインスピレーションを受けた劇伴を、さらに録画録音でじっくり聴きチェックしていく感じです。
これらのチェックを続けていくと解る事ですが、最近のゴールデンタイムのテレビドラマには、魅力が無くなってきました。ストーリーも 配役も、コピーから コピーを繰り返し、画質が劣化しているかの様です。7月期のドラマ視聴率も軒並み 10%を切る結果が出ています。この「週間選曲リスト」でも、夜ドラ主題歌・劇伴音楽のリストイン頻度が落ちてきました。
一方 元気なのがSBC TBS と NBS 東海テレビで放送されている「昼ドラ」です。丁度 昼食時間が昼ドラ時間帯に重なる事も多く、私は 長年昼ドラを見続けてきた希有な男性有職視聴者(笑)です。東海テレビ制作・NBS長野放送でオンエアーされている昼ドラは、ドロドロしつつも(笑)コンパクトにまとまった「テレビスタジオ演劇」だと類別できます。
現在放送中の東海テレビの昼ドラ「美しい罠」は、暗黒舞踏の第一人者・前衛芸術家にして名優である 麿赤兒が、トメのクレジット順でフル出演。63才にしてヒロインの櫻井淳子とベットシーンまで演じ(笑)ドラマ全編が麿赤兒の独壇場となる様相を呈しています(笑)。櫻井・麿ふたりしか出演しないエピソードもあるそうで、昼の時間帯に、根強い人気を保っています。
またSBC信越放送(TBS)で、先々週までオンエアーしていた宮藤官九郎 脚本の昼ドラ・愛の劇場「吾輩は主婦である」は、主婦(斉藤由貴)に 文豪・夏目漱石が乗り移り 現代へ甦るという、想像を絶するストーリー設定 と 面白さで、昼ドラ史上五指に入る傑作でした。斉藤由貴の後ろから、憑依していた本田博太郎が現れたシーンは 素晴らしく、強く記憶に残っています。
昼ドラとは、日本固有の放送文化ではなく(笑)米国では、ソープオペラと呼ばれ、ひとつのドラマシリーズが何十年も続いている例もあり、非常に安定したドラマ枠になっています。米国のソープオペラは、1時間ドラマが主で、それを平日 5日間放送していきます。この長期間に渡る連続ドラマを視続けていると、ドラマの登場人物が、まるで家族の様な存在になるそうです。
東海テレビの「美しい罠」は、30分のドラマで全 65回放送ですが、米国のソープオペラは、さらに厳しい制作スケジュールで、終わりなく延々と続いていくのです。日本の夜ドラ(笑)のほうも、人気が先行してしまう若手出演俳優の実力が試され、優劣が はっきり視聴者に判ってしまうほどの大胆なストーリー構成で、少しずつ低迷感から脱却してほしいものです。
(追記) 麿赤兒 氏は、本年度 文化庁長官表彰を受けました。