第440回ランキング
- 第 1 位 ( △ )
尾崎亜美「愛のはじまり」
NHKラジオ第1放送「ラジオ深夜便」深夜便のうた
♪ 震災報道が多くを占めるラジオ番組で、この曲は心底に染みます。 - 第 2 位 ( ▽ )
NHK Eテレ・歴史教養番組「さかのぼり日本史」テーマ音楽 [横山克] - 第 3 位 ( △ )
LOVE PSYCHEDELICO “Shadow behind”
NBS フジ・ドラマ「絶対零度 ~ 特殊犯罪潜入捜査」オープニング テーマ - 第 4 位 ( ▽ )
NHK総合・連続テレビ小説「おひさま」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [渡辺俊幸] - 第 5 位 ( ⇒ )
上條恒彦「だれかが風の中で」
CS 時代劇専門チャンネル・時代劇「木枯し紋次郎」主題歌
テレビ放送の完全デジタル化が、被災3県を除く全国で 25日 午前 0時に決行されました。半世紀以上続いた アナログテレビ放送は、総て停波しています。
「アナログテレビ放送 最後の日」となった 24日(日曜)は、NHKや多くの在京キー局で、朝から特別番組をオンエアーしました。フジテレビ系列は、夏恒例の 27時間テレビを この日に編成しています。そのフジテレビは、アナログ放送で通常番組の送出終了となる正午前に、浮足立った生放送でカウントダウンしており、少々お祭り騒ぎな感じを受けました。
そんな中 NHK総合は、午前 11時59分から鈴木奈穂子 アナによる「アナログ放送終了のお知らせ」を放送しました。「これまでアナログテレビ放送を 長い間ご覧頂きまして どうも ありがとう ございました。」と感謝の言葉で締めて、正午ジャストにアナログ放送終了のブルーバック画面へ移行しています。この放送終了時は、静かで美しいものがありました。
ところが その 12時間後。アナログ放送終了を表示するブルーバック画面から実際の停波となる午前 0時前の瞬間は、全く逆の展開でした。NHKは、午後 11時59分 アナログ放送終了を告げるタイトルバックもなく停波し、砂嵐状態になってしまったのです。NHKの ぶっきらぼう(笑)な停波は、意味が解っているのか? と問いたいほど少し残念でした。
テレビ局は、放送局である以前に国から免許を受けた「無線局」です。無線局運用規則 第138条では、放送の開始及び終了に際してコールサイン(呼出符号)を放送しなければならない と定めています。テレビジョンとは、映像・音声ふたつの同時放送で一体なはずで、開局する時と同様に、閉局になるアナログ放送 停波直前は、閉局メッセージの映像が必要だと思うのです。
今回 NHK長野放送局(JONK-TV)に関しては、この電波法令最低限のアナウンスがありましたが、アナログテレビ閉局を告げる肝心の表示をせず、実に味気ないものでした。また東京放送センター(JOAK-TV)を始め、他の地域では、全くアナウンスなしで突然停波したケースが多かったそうです。NHKは、アナログ閉局の画面用意を全くしてませんでした。
しかし、NHKと異なり、全国で多くの民放テレビ局は、停波直前にブルーバック画面を止め、独自のアナログ放送終了を告げるタイトルバックを放送しています。送信所・中継局紹介の他にアナログ放送の歴史を振り返り、長年の視聴に対する感謝のメッセージ、そして最後にアナログテレビのコールサインの表示・アナウンスをするなど、各局独自の工夫で停波しています。
特に民放テレビ局の最古参である、東京・日本テレビ(NTV)は、実に感動的なアナログ放送終了でした。アナログテレビ停波直前の午後 11時58分56秒から、日本テレビ伝説の放送終了タイトルバック「鳩の休日」ロングバージョンを、特別にオンエアーしたのです。このオンエアーは事前にメディアなどに予告を行ったため、視聴された方が多かったと思います。
「JOAX-TV。第4チャンネル。こちらは、日本テレビです。」と、当時の女性アナウンサーの音声でアナウンス。コールサイン・放送局名、そして「58年間 ありがとう ございました」と、さりげなくメッセージを加えた画面で停波。深井史郎 作曲の「鳩の休日」を、原曲のまま放送したため音楽効果も素晴らしく、抜群のアナログテレビ放送エンディングでした。
私は この 1分間を、デジアナ変換が始まっている地元CATVで残っていた在京局アナログ再送信で視聴し、心底から感動しました。日本テレビの技術スタッフは、なんと粋なのでしょうか。東京・日本テレビのアナログ放送 最後の日。その最後の 1分間は、電波法令に従い日テレ 58年の歴史を一気に凝縮した、生涯忘れ得ないほど美しく輝いた 1分間でした。