第619回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
NHK総合・大河ドラマ「花燃ゆ」テーマ音楽 [川井憲次] - 第 2 位 ( △ )
鈴木常吉「思ひで」
SBC MBS・ドラマ「深夜食堂3」オープニング曲 - 第 3 位 ( ▽ )
NBS フジ・ニュース情報番組「Mr.サンデー」オープニング テーマ音楽 [林ゆうき] - 第 4 位 ( ★ )
SBC TBS・金曜ドラマ「ウロボロス」劇中効果音楽 [木村秀彬]
♪ リスト対象は ENAが唄う英語歌詞の劇伴佳曲です。 - 第 5 位 ( ⇒ )
NBS フジ・ドラマ「ゴーストライター」劇中効果音楽 [眞鍋昭大・笹野芽実・得田真裕・末廣健一郎]
今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主役は、女優・井上真央です。25日にNHK総合で放送された作家・宮尾登美子 さんの追悼番組で、第1回を そのままオンエアーした、名作BSドラマ「蔵」(1995年)は、井上真央が子役だった頃の代表作でした。井上真央は、ここ松本平が舞台となった 2011年の朝ドラ「おひさま」で、ヒロインを演じています。
そして 第62回 NHK紅白歌合戦では、ここ 10年で唯一紅組が優勝した時の司会でした(笑)。幕末志士の先駆けとして殉じた吉田松陰の実妹を、その井上真央が演じており、今までのテレビドラマでは、大きく取り上げなかった歴史上の人物です。そのせいか視聴率は、第1回の16・7%から 13・4% ➝ 15・8% ➝ 14・4%(関東地区)と推移しています。
吉田松陰の実妹である杉文は、生涯で 2度嫁ぐ事になります。1人目は 久坂玄瑞(東出昌大)。2人目が 小田村伊之助 後の楫取素彦(大沢たかお)です。一気に駆け抜ける生涯だった兄・松陰とは異なり、2度目に嫁いだ夫が、男爵位まで登り詰める維新功労者であった事から、杉文(楫取美和子)は 鹿鳴館外交に至るまで、明治時代の表舞台へと歩んていきます。
音楽は 川井憲次が担当。川井憲次の劇伴の特色と言えば「科捜研の女」劇中効果音楽に象徴される、アレンジを微妙に変えながらの徹底した和音構成の繰り返しでした。そこに美しい転調が挟まれます。今作は、川井サウンドの得意技ともいえるスキャットと、吉田松陰の遺した和歌に基づく歌詞を大規模な合唱にした、最近の大河テーマ音楽にはない量感溢れるスコアリングです。
今回の「花燃ゆ」テーマ音楽は、表面の旋律に際立った和音構成繰り返しは みられませんが、裏でホーンセクションや パーカッションが刻んでいるリズムは、確かに和音構成を繰り返しており、コーラスから スキャットへは、その裏リズムを上手く連結し絶妙に転調しています。そしてラストのスキャットでは、途中から大胆な打楽器による繰り返す和音が鳴り響くのです。
今週の第4回冒頭では、ぺリーが乗り込んでいる黒船に密航しようとした、伊勢谷友介演ずる 吉田寅次郎(松陰)が、黒船側から通報捕縛され、唐丸籠で護送される時、大沢たかお演ずる 小田村伊之助が、寅次郎(松陰)に向かい「いっつもじゃ。お前は いっつもそうやって のめる様に先をせぐ。なんで待てん。なんでせぐんじゃ。」と恫喝していたシーンがありました。
恫喝された 吉田寅次郎(松陰)は、唐丸籠の中で実に複雑な微笑を浮かべていました。私は 視ていて、イスラム国に捕らわれ苛烈な運命を突きつけられている、フリージャーナリスト 後藤健二 氏を思い起こしたのです。「お前は いっつもそうやって のめる様に先をせぐ。なんで待てん。なんでせぐんじゃ。」と言った大沢たかお の台詞が、なぜかオーバーラップしていました。
幕末に前のめりで突貫した吉田松陰と、2015年の現代に、その目的や論理をビデオで堂々と語っていた後藤健二 氏が、妙に重なり合う気がしてなりません。最近の大河ドラマに顕在化していた、台詞や設定に関する歴史考証上の問題点もなく、第1期の原作・脚本の宮村優子は、大変佳くライティングしています。大河ドラマ「花燃ゆ」の今後の展開に期待しています。
2015年 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」25日 放送・第4回「生きてつかあさい」
【タイトルバック・クレジット順序(配役発表序列): ◯ 井上真央 ➝ △ 大沢たかお ➝ △ 伊勢谷友介 / △ 原田泰造 ➝➝ 優香 / △ 石丸幹二 / △ 麻生祐未 ➝➝ 泉澤祐希 / △ 井川遥 ➝➝ △ 内藤剛志 ➝➝ △ 檀ふみ ➝➝ △ 奥田瑛二 ➝➝ ◯ 長塚京三 ➝➝ ◎ 北大路欣也】
ここに掲載されたピンクレ(1画面に 1人だけ配役が紹介される)俳優を、ブログでの格付け対象としています。タイトルバックでは、俳優表示のリズムや 区切り方にも意味があり、それらを分析しました。 / や ➝ は、表示間隔の強弱を表し、無印 △ ◯ の順でランクが上がり「トメ」の ◎ が、今回における最高俳優と、このブログでは 独自な格付けを打っています。