FM長野リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第434回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    NHK総合・連続テレビ小説「おひさま」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [渡辺俊幸]

  2. 第 2 位 ( △ )
    NHK Eテレ・歴史教養番組「さかのぼり日本史」テーマ音楽 [横山克]

  3. 第 3 位 ( △ )
    上條恒彦「だれかが風の中で」
    CS 時代劇専門チャンネル・時代劇「木枯し紋次郎」主題歌
    ♪編曲は 寺島尚彦。

  4. 第 4 位 ( ▽ )
    Sade“Still In Love With You”

  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    NBS フジ・アニメ「ちびまる子ちゃん」で放映される 株式会社ミツウロコ テレビCMソング [TARAKO]


 私が住んでいる長野県 松本市。そのJR松本駅へ行くと、何枚も同じポスターが目につきます。「信州が舞台の朝ドラ!」。女学生に扮した井上真央のポスターです。NHK総合テレビの連続テレビ小説。第84作「おひさま」は、私が住んでいる松本・安曇野が舞台です。太平洋戦争で二分される、激動の時代を生き抜いた女性の半生が描かれています。

 渡辺俊幸が制作したテーマ音楽は、朝ドラの原点に立ち返った様なインストゥルメンタルです。毎日聴き込むと、研かれていく様な美しさが現れます。朝ドラのタイトルバックは、月曜日のみ スタッフ名をクレジットするため、時間長めの仕様が続いていました。ところが「おひさま」の場合、スタッフ クレジットの表示テンポを早くして、他曜日と尺を同じにしています。

 主役である須藤(丸山)陽子 役の井上真央は、子役の時にNHKの水曜シリーズドラマ「蔵」(1996年)で 田之内烈の少女時代を好演。TBSの昼ドラ「キッズウォー」(1999 ~ 2003年)では、逆に奔放な少女・今井茜 役を演じ切りました。そのキャリアゆえに、今まで新進女優を抜擢してきた朝ドラ ヒロインの中では、演技力が群を抜いています。

 この「おひさま」は、戦時中の描写も考証がしっかりしており、演者が非常に上手く表現しています。特に 陽子の父親・須藤良一を演ずる寺脇康文は、ご存じテレ朝人気刑事ドラマ「相棒」の亀山薫 役。義母・丸山徳子 役の樋口可南子は、デビューがTBSのポーラテレビ小説「こおろぎ橋」(1978年)のヒロイン。二人とも連続ドラマ経験は充分です。

 さらに「おひさま」脇役陣の中で特筆すべきは、義父・丸山道夫 役の 串田和美です。まつもと市民芸術館長 兼 芸術監督である 串田和美は、今 最も松本市に所縁のある俳優・演出家です。父は、日本を代表する哲学者・串田孫一、祖父は、三菱銀行 創業者・串田万蔵。緒形拳と共演した不条理劇「ゴドーを待ちながら」は、日本演劇史上の傑作として挙げられる作品です。

 長い朝ドラの歴史を振り返ると近年の作品では、得意分野であった戦前そして 終戦直後の描写が、だんだんと色褪せてきていました。現代に生きる俳優・女優が、平気でタイムスリップしているかの様な違和感があったのです。しかし、この「おひさま」は、戦時中の描写も考証がしっかりしており、串田和美を始め 非常に上手く表現しています。

 今回の岡田惠和の脚本には 創意があります。ナレーションに 陽子の晩年を演じる若尾文子と、聞き役となる1986年 第36作「はね駒」のヒロイン・斉藤由貴のユーモラスな回顧が基点になり、不思議な安心感も与えているのです。また井上真央の国民学校 教師役には、児童とのエピソードに、かつての名作映画「二十四の瞳」を彷彿とさせる様な 清々しさ さえ存在します。

 連続テレビ小説「おひさま」は、東日本大震災の影響で放送開始が 1週間遅れました。大震災の凄惨さを知った多くの視聴者の間には、その後 放送された多くのテレビドラマに乖離を感じ始めています。しかし、今回の朝ドラ「おひさま」には、乖離を感じさせません。その証拠が ビデオリサーチ社の地域別 世帯視聴率に現れています。

 地元 長野県の平均 27%より、被災地である福島県が 30%近くまで達しようとしているのです。今回の正統派の朝ドラが、この国難の時でも鑑賞に耐えうるテレビドラマのレベルを維持しているのだと思います。ここ信州 松本・安曇野を舞台とした朝ドラ「おひさま」は、激動昭和を生き抜く女性の一代記の中で、全国に 力みの無い本当の明るさを 毎朝届けています。


ブログ開始は 2003年です。

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