FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第696回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( △ )
    NBS カンテレ・ドラマ「ON 異常犯罪捜査官 藤堂比奈子」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [菅野祐悟]
  2. 第 2 位 ( △ )
    NHK総合・大河ドラマ「真田丸」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [服部隆之]
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    NHK総合・外国テレビドラマ「マスケティアーズ パリの四銃士」テーマ音楽 [Murray Gold]
    ♪ 1位 2週、登場 7週。
  4. 第 4 位 ( ⇒ )
    abn テレ朝・ドラマ「刑事7人」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [吉川清之]
  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    宇多田ヒカル「花束を君に」
    NHK総合・連続テレビ小説「とと姉ちゃん」主題歌

 暑中お見舞い申し上げます。2016年盛夏の中、愛読者の皆様には どうかご自愛ください。

 12日に 放送タレントの大橋巨泉 さんが お亡くなりになりました。。テレビ・ラジオの黄金時代は、巨泉さんの逝去を以って、一気に幕を引いてしまった感じがします。私は、巨泉 さんのジャズ番組を、ラジオ放送で聴いた事があります。知識 と 理論に裏付けされた高度な音楽番組でした。そして その高度な音楽性は、担当したテレビ番組にも反映されていたのです。

 ‘70 ~80年代にかけて、毎週土曜日のTBSテレビは、夕刻午後6時の料理天国から ニュースコープ ➝ まんが日本昔ばなし ➝ クイズダービー ➝ 8時だヨ!全員集合 ➝ Gメン‘75と、20%から 30%の高視聴率番組が連続していく、まさに独壇場でした。土曜夜になると、多くの首都圏の家庭では、チャンネルをTBSに合わせたままになっていたのです。

 特に 1976年から巨泉 さんが長い間司会を勤めた「クイズダービー」は、音楽効果的にも優れたクイズ番組でした。前番組のお笑い頭の体操から、時間帯を引き継いだ巨泉 さんは、解答者として視聴者を参加させるのではなく、レギュラー解答者のクイズ問題の正誤を、点数を賭けさせながら当てていく、国内テレビ番組には 類例がないフォーマットを導入しました。

 番組開始当初は、問題ごとに藤村俊二 らのオッズマンが予想マークを打ち、そのマークの軽重を自動計算し、オッズ倍率として変動表示する、実に斬新なシステムを採用していました。二重丸や三角印を、複数のオッズマンが入力すると、瞬時に総合のオッズが変化します。私は、このシステムが好きだったのですが、多くの視聴者には ついていけませんでした(笑)。

 そこで巨泉 さんが事前に決めたオッズ、すなわち倍率ドン!(笑)で、一発表示する解りやすい方式に改良。このあたりから一気に視聴率が上昇し始め、開始 1年目で、20%を超える人気番組へ成長します。私は、長い間クイズダービーを視聴してきましたが、特筆すべきは、エンディングの音楽効果です。クイズ番組のジャンルを超越した、実に美しい音楽効果なのです。

 最終問題の結果が出て、司会席から巨泉 さんが離れ、解答者と談笑を始めます。そのあたりから、まるでチャイムでも鳴るかの様に、エンディングのテーマ音楽が始まり、出場者席を回りながら結果を振り返るあたりには、フルオーケストラによる実に美しい和声を有した旋律となって 2度繰り返し流れます。その旋律から一気に大転調し、ファンファーレで終奏するのです。

 その時 巨泉 さんは、挨拶をしながら会場のTBSホール・ステージのセンターへ進み、番組タイトルボードから映像がゆっくり引いて、センターカメラのビューファインダーまで映します。そのビューファインダーに小さく写るステージの全景は、鏡の中の鏡を視る様で、不思議な形式美が存在するのです。この音楽効果 と 不思議な形式美は、クイズダービーの大きな特質でした。

 このエンディングのテーマ音楽は、数分後CM明けの次週予告や出場者募集の際にも また流れ、大転調後のファンファーレ部が、提供はロート製薬で ございました とのアナウンスと共に、スポンサー名を大きく表示する、実に印象的な提供クレジットの際にも使われます。このエンディングにおける音楽効果は、テレビ番組全体から考察しても、比類なき美しさです。

 ボブ佐久間 が作曲し、たかしまあきひこ が編曲した「クイズダービー」エンディング テーマ音楽は、我が国のクイズ番組 いやバラエティー番組全体でも、最も美しい和声 と 調性が整ったテーマ音楽でした。あのエンディングは、強く脳裏に残っているのです。大橋巨泉 さんが亡くなった今、あのクイズダービーの素晴らしいテーマ音楽 と エンディングを、殊更思い出します。


ブログ開始は 2003年です。

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