第764回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
Anly “Venus”
abn テレ朝・木曜ミステリー「科捜研の女」主題歌 - 第 2 位 ( ⇒ )
AKLO×JAY’ED “Different Man”
BS JAPAN・ドラマ25「デッドストック ~ 未知への挑戦」オープニング テーマ曲 - 第 3 位 ( △ )
NHK総合・外国テレビドラマ「This is Us 36歳、これから」クレジット音楽 [Siddhartha Khosia] - 第 4 位 ( ★ )
凛として時雨 “DIE meets HARD”
BS JAPAN・ドラマ24「下北沢ダイハード」オープニング テーマ曲
♪ フィメール ヴォーカルの要素を強く加える事で調性が取れている、スリーピース ロックの佳曲。 - 第 5 位 ( ▽ )
Maika Loubté “THE CHOYA 2017”
CHOYA 成熟篇 テレビCM音楽
♪ 2018年 1月に再登場しています。
7年前の時代劇専門チャンネルでの全話視聴、そして最近のNHKオンデマンドでの視聴と、大河ドラマ「草燃える」から端を発した鎌倉時代への興味は、尽きる事がありません。とうとう私は、鎌倉幕府の基礎史料として権威がある、吉川弘文館 発行「現代語訳 吾妻鏡」全 16巻の中から、急所となる 第5巻 征夷大将軍と、第8巻 承久の乱を買い求め、先日読了しました。
「吾妻鏡」は、鎌倉幕府の公式日誌と言うべきもので、日常の政務を、編年体 つまり 日記形式で綴られています。但し この吾妻鏡は、出来事があった日のみの記載です。私もこのブログの他に、Googleカレンダーを利用して簡易な日記をつけており、紹介する機会もあるかと思いますが、吾妻鏡と同じ方式で、出来事があった時のみ記録する備忘録的な形態です。
ですが吾妻鏡の場合、本当に備忘録目的として数行しか記載されていない日が多くある中で、源頼朝 上洛時の陣立や、承久の乱における戦傷者名簿など十頁以上に及ぶ日もあります。それに政務日誌だけでなく、吾妻鏡を読み進めていくと驚くのは、地震発生の記載が大変多い点です。間違いなく当時の鎌倉では、群発地震や大地震が絶え間なく続いていました。
さらに吾妻鏡には、天文学に関する記載も多くあり、肉眼観測で惑星・恒星軌道の識別がつくほど発達していた事も解ります。この天文観測を細かく分析して、幕府公式の占術を行う際のデータにしていたのです。例えば館を新築する際には、棟上げの日時までも細かく占い、方位が良くないからと、わざわざ別の館に泊まって方災を避ける事も頻繁に行っていました。
特に政務では、大江広元 と 三善康信、このふたりの高級文官が、草創期の幕府を繁栄へ導いていたのが、読んでいくと良く解ります。征夷大将軍宣下まで朝廷工作を活発に行い、承久の乱では 躊躇なく電撃戦での京侵攻を主張するなど、このふたりの文官が、極めてミスリードの少ないアドバイスをする事によって、鎌倉幕府を築き上げたと言っても過言ではありません。
だからこそ建久3年(1192年)7月20日に、頼朝を征夷大将軍とする宣下の飛脚が到着した以降の記載。そして、承久3年(1221年)6月23日に 承久の乱が、京を制圧した幕府軍大勝利の内に終わった事を、最初に知らせる速報飛脚が、深夜の鎌倉へ飛び込んできた以降の記載は、何度読み返しても飽きる事なく、大変興味深いものがありました。
吾妻鏡の現代語訳は、ネットで読み進める事が出来ますが、意訳に過ぎる事も多く、やはり吉川弘文館の全 16巻が最も優れている様に思います。近くに吾妻鏡の民間研究会でもあれば、ぜひ参加したいのですが、なかなか見当たりません。独学で読み解いています。「吾妻鏡」は、為政者の言説が明確で、公用記録として極めて優れている、鎌倉幕府第1級の史料です。