FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第64回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    茉樹代「桜咲くまで」
    SBC MBS・ドラマ30「桜咲くまで」主題歌
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    NBS フジ・木曜劇場「白い巨塔」劇中効果音楽 [加古隆]
  3. 第 3 位 ( △ )
    浜崎あゆみ “Moments”
    コーセー化粧品 テレビCMソング
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    DREAMS COME TRUE「やさしいキスをして」
    SBC TBS・日曜劇場「砂の器」主題歌
  5. 第 5 位 ( ★ )
    イエロー ジェネレーション「扉の向こうへ」
    SBC TBS・アニメ「鋼の錬金術師」エンディング テーマ曲
    ♪ とても和声を感じさせる秀でたアレンジのアニソン。

 今週は、藤沢周平 原作・金曜時代劇「蝉しぐれ」(2003年 8月 ~ 10月 本放送)のリピート放送を視ました。この「蝉しぐれ」では「海坂(うなさか)藩」という架空の藩を物語に設定しています。ただ描かれている自然の豊かさ と 原作の小説が 山形新聞・夕刊で掲載された点からも、舞台は 山形県 鶴岡市・酒田市などの庄内平野に間違いありません。

 主人公・牧 文四郎(子役:森脇史登)は、海坂藩の下級藩士の養子として少年期を過ごします。友人達と 道場に通い、隣家の娘 ふく(子役:伊藤未希)へ恋心を抱く、そんな日々が おだやかに過ぎてゆく中で、文四郎(内野聖陽)は 成長していきます。文四郎の養父・助左衛門(勝野洋)は、普請組に勤める寡黙な人物。農に勤しむ領民の生活を、いつも気づかっていました。

 ところが ある日突如として お世継ぎを巡り藩内に政争が起き、助左衛門は この渦中へ巻きこまれてしまいます。遂に助左衛門は、無実の謀反の疑いで切腹。処刑直後 文四郎が、義父の亡骸を 屈辱の中で刑吏の役人から引き取ります。そして幼なじみの ふく(水野真紀)と、山腹の寺まで義父の亡骸を大八車で運ぶ鮮烈なシーンが、この時代劇を貫く原風景です。

 後に主君の側室になった ふくと、家禄没収 謹慎の身から 義父の名誉回復を経て 郡奉行まで出世した文四郎。運命の流転を経て藩の重い立場になった二人が、密会をする場での回顧に全体のストーリーを乗せていく展開は、本放送時に少々とっつきにくい印象もありました。しかし、今回のリピート放送を視聴して、その筋の深さに ようやく気付く事ができました。

 文四郎は、小和田逸平(石橋保)島崎与之助(宮藤官九郎)から受けた変わらぬ友情。そして道場師範(石橋蓮司)から伝授された「秘剣村雨」を会得し、義父を陥れた家老(平幹二朗)と対決します。苦労を共にする義母(竹下景子)を助け、謀反人の子としての過酷な運命を、鮮やかに切り開いていった歳月が「蝉しぐれ」の聞こえる夏の日の密会に凝縮されていたのです。

 タイトルバックに流れる 若草恵が編曲した主題歌「遥かな愛・・・」(歌・普天間かおり)は 名曲に値します。「蝉しぐれ」が描く世界は、能力報酬主義に翻弄され、疲れ果てた現代社会へ深く通じるものがあります。苛烈でありながら最後に平穏をもたらす主人公の生きざまに、共感をもった方が多かったのだと思います。そこが「蝉しぐれ」人気の源泉だったのです。


(追記) 「蝉しぐれ」が、ドラマアンコールとしてNHK総合で放送され、第528回ランキングで主題歌が 1位に選曲されました。


ブログ開始は 2003年です。

Search

Mail-form


 ご愛読者(拍手)ボタンがあります。