第464回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
Lady Antebellum “Just a Kiss”
テレビ東京・2時間サスペンスドラマ「水曜ミステリー9」エンディング テーマ - 第 2 位 ( △ )
NHK総合・大河ドラマ「平清盛」テーマ音楽 [吉松隆] - 第 3 位 ( △ )
NBS フジ・ドラマ「ストロベリーナイト」劇中効果音楽 [林ゆうき] - 第 4 位 ( ▽ )
abn テレ朝・木曜ミステリー「科捜研の女」劇中効果音楽 [川井憲次] - 第 5 位 ( ★ )
The Little Willies “Jolene”
♪ ジャジーさを損なわないアレンジの佳曲。Dolly Parton そして Olivia Newton-Johnのカヴァーです。
今年のNHK大河ドラマは「平清盛」です。脚本は朝ドラ「ちりとてちん」の藤本有紀。特筆しますが(笑)また歴史を自ら学んだ経歴がない女性のライターです。視聴率は、第1回が 17・3%、第2回は 17・8%と、20%を超えない範囲で推移していますが、案の上(笑)今回の大河ドラマを貫くべき歴史観に脆弱さが散見され、同時に問題点も並立しています。
画面の映像が2年前の「龍馬伝」と同様、立体感や色彩に広がりを持たせる技術を踏襲しており、赤色は さらに強くなりました(笑)。アナログのカラーテレビが普及し始めた頃、テレビ画面に出てくる人物の顔色を 自然な感じになる様に調整出来れば、カラー調整は合格と言われた事を今でも覚えています。今回の暗赤の顔色では、調整失敗だと言われるかも知れません(笑)。
ストーリー設定も白河院政を「王家」と表現したり、平清盛を白河法皇の落胤と決めてかかるなど、最近の大河ドラマに見られた歴史考証の軽視などの問題点が、さらに顕在化しています。間違いなく言えるのは、今回の大河ドラマ「平清盛」の時代考証が、ワークしておらず、独善を伴う独自研究へ考証を誘導しています。今作の歴史考証には、NHKが責を負うべきです。
しかし、その未成熟な歴史考証をカバーして余りあるほど、序盤 2回の芯となった、伊東四朗 演ずる白河法皇の圧倒的存在感は、素晴らしいものがありました。特に第1回放送での清盛の生母・舞子(吹石一恵)が一斉弓射で誅せられる場面は圧巻で、昨年のスウィーツ大河(笑)を払拭するシーン・メイキングです。演技派俳優が、大挙配役されている点にも魅力を感じています。
音楽は 吉松隆が担当。初めてテレビドラマのスコアを制作しています。テーマ音楽も歴史考証をカバーして余りあるほどの出来です。ラストで平安時代の歌謡集「梁塵秘抄」(りょうじんひしょう)の有名な一節「遊びをせんとや生れけむ」を、少女が唄う旋律パートは、テーマ音楽冒頭のピアノソロの旋律と連結しており、テーマ音楽に強いストーリー性が存在します。
その連結が 挿入歌として指定されている Emerson,Lake&Palmerの「タルカス」(Tarkus)の オーケストレーション・イメージに繋がっていく、不思議な劇伴音楽構成となっています。私が大変気に入っているのは、タイトルバックでの平安舞のリズムと、テーマ音楽中盤の打楽器や吹奏楽を多用した和音構成に、全く違和感がない点です。
ピアノソロ と 打楽器・吹奏楽への転調、さらに少女が唄う梁塵秘抄への転調は、相当のアレンジ技巧を必要としますが、見事に こなしています。今回の大河ドラマ テーマ音楽は、内省的な面もありますが、精巧な素晴らしい作品だと思っています。とにかく問題は、ストーリーにおける歴史考証に絞られてきますが、赤みを抑えた(笑)「平清盛」の今後の展開に期待しています。
2012年 NHK大河ドラマ「平清盛」15日 放送・第2回「無頼の高平太」
【タイトルバック・クレジット順序(配役発表序列): ◯ 松山ケンイチ ➝ △ 玉木宏 ➝ 三上博史 ➝ 豊原功補 ➝ 金田明夫 ➝ △ 吹石一恵 / △ 松田聖子 ➝➝ 檀れい ➝➝ りょう / △ 阿部サダヲ ➝ 岡田将生 ➝ △ 杏 / ◯ 伊東四朗 / △ 小日向文世 ➝➝ △ 和久井映見 ➝➝ △ 上川隆也 ➝➝ △ 國村隼 ➝➝ △ 中村梅雀 ➝➝ ◎ 中井貴一 】
ここに掲載されたピンクレ(1画面に 1人だけ配役が紹介される)俳優を、ブログでの格付け対象としています。タイトルバックでは、俳優表示のリズムや 区切り方にも意味があり、それらを分析しました。 / や ➝ は、表示間隔の強弱を表し、無印 △ ◯ の順でランクが上がり「トメ」の ◎ が、今回における最高俳優と、このブログでは 独自な格付けを打っています。