FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第1083回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    クボタカイ “gear5”
    テレビ東京・ドラマ25「ハコビヤ」オープニングテーマ
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    NHK総合・大河ドラマ「光る君へ」テーマ音楽 [冬野ユミ]
  3. 第 3 位 ( ⇒ )
    Norah Jones “Running”
  4. 第 4 位 ( ★ )
    NewDad “Angel”
    ♪ 17日のNHK-FM「ワールドロックナウ」で聴いた、美的退廃が和音構成に顕れているオルタナ佳曲。
  5. 第 5 位 ( ▽ )
    hulu WOWOW・連続ドラマW「石の繭 ~ 殺人分析班」劇中効果音楽 [諸橋邦行]

 2025年度末に決行されるNHKラジオの減波が迫っています。NHKは、2024年度の国内放送番組編成計画 と 公式タイムテーブル「放送番組時刻表」を発表し、NHK-FMの4月改編が明らかになりました。減波となるラジオ第2放送の語学番組を さらに受け入れましたが、その受け入れの時間帯を、現在から大きく変更しており、方針に気迷いが見られています。

 まず平日午後 11時30分から午前 1時までを、英会話・ビジネス英語・時事英語講座。さらに中国語・ハングル・日本語履修など語学番組で埋め尽くしました。調べてみるとNHK-FMが、深夜に語学番組を放送するのは、開局直後の 1965年 ロシア語講座以来となります。クロスオーバーイレブンなど伝統の音楽番組時間帯に、教育番組が流れる事になりました。

 そして、1年間に渡ってニュース・気象情報・名曲スケッチ・名曲の小箱を挟み、午前 6時から約 2時間語学番組を流してきた朝の時間帯が短縮され、中学生の基礎英語 3講座だけ、午前 5時からの放送へと移動しました。これによりNHK-FM伝統だった、午前 6時からのバロック音楽から、ニュース ➝ クラシック音楽へと流れる平日音楽放送が復活した事になります。

 NHK-FMの改編では、過去に大失敗例(笑)がありました。1985年 4月に、朝のバロック音楽放送を打ち切り、クラシック音楽枠も縮小と、今までの番組枠を全面的にシャッフルしてしまったのです。公園通り21、FMワイド歌謡曲、ミュージックダイアリーと書けば、大昔から聴き続けているNHK-FMリスナーなら、悪夢(笑)が蘇ってくるかも知れません。

 結局このシャッフル大改編は、3年ほどで元に戻ってきました。朝のバロック音楽放送も復活し、現在に至っています。その理由とは、リスナーからの元に戻せ的な要望が、NHKへ多く寄せられたからです。古学の楽しみから、クラシックサロン再放送を、通勤通学時に聴く習慣は根強く、今回も同じ様な流れで、新参の語学番組を追い出す結果になったのかも知れません。

 しかし根本的な事情が異なります。NHKは、AMを減波しなければなりません。今回の改編でも、平日午後 4時から、約 3時間を編成フリーとなる従来番組の再放送枠を確保しました。NHKラジオ第2で残された語学番組は、スペイン・ポルトガルなど約 1時間。さらに高校講座も約 1時間。さらに古典講読、カルチャーラジオ、気象通報を加えれば際限か無くなります。

 まさか株式市況をNHK-FMでやる事はないと思いますが(笑)放送枠を確保しても、当然ラジオ第2番組の受け入れには 限界があります。本筋はラジオ第2を、ラジオ第1で受け入れるべきなのですが、それを想定する人は まだ少数です。4Kという逃げ場があったBS減波とは 全く異なり、ラジオ減波後の編成は、まるで多次元方程式を解く様な難解さがあります。

 長年聴いてきたワールドロックナウも、渋谷陽一 氏の入院からあっという間に打ち切りとなりました。改編毎に時間が短縮になるミュージックラインは、午前中に再放送。クラシックサロンは、クラシックの庭と番組名が変更。夜のプレイリストもマイ・フェイバリット・アルバムと名を変えて、夕方に再放送枠を採りました。とにかく平日は 多くの番組に流動性を持たせています。

 土曜・日曜に関しては、大きな動きはありません。土曜午後 4時のDJ赤坂には、N響定期演奏会を被せられています。土曜夜 10時のラジオドラマ・FMシアターから ジャズトゥナイトへの流れは変わりません。日曜午後4時に、吹奏楽のひびきを移してきたのは、少し気になりました。その昔 日曜午後は、オペラアワー 4時間を放送していた不変のクラシックタイムでした。

 2024年の国内番組編成計画では、NHK-FMを「リスナーの興味・関心に深く応える専門チャンネル。音楽、芸能や文化・教養に加え、音声波再編を見すえて教育番組を編成します。」と定義しました。さらに「災害などの緊急時には、ラジオ第1放送と連携して機動的な編成を行います。」とも付言しています。NHK-FMの掲げたハードルは相当高いのです。

 しかしこのハードルは、音楽・芸能・文化・教養そして報道と、リスナーの知的水準を高く設定した故であり、21世紀に民間放送も含めたラジオメディアが生き残る道程なのです。NHK-FMは、その道程を歩き出しています。ラジオ第2の良質な番組を上手に継承しながら、NHK-FMには 根幹となるクラシック音楽番組を、これからも維持していく事を願っています。


ブログ開始は 2003年です。

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