第617回ランキング
- 第 1 位 ( △ )
NBS フジ・ニュース情報番組「Mr.サンデー」オープニング テーマ音楽 [林ゆうき] - 第 2 位 ( △ )
NHK総合・大河ドラマ「花燃ゆ」テーマ音楽 [川井憲次] - 第 3 位 ( ▽ )
鈴木常吉「思ひで」
SBC MBS・ドラマ「深夜食堂3」オープニング曲 - 第 4 位 ( ▽ )
中島みゆき「麦の唄」
NHK総合・連続テレビ小説「マッサン」主題歌 - 第 5 位 ( ★ )
NBS フジ・ドラマ「ゴーストライター」劇中効果音楽 [眞鍋昭大・笹野芽実・得田真裕・末廣健一郎]
♪ 4名による共同制作ですが、存在する洗練された劇伴。
昨年 入会した“radiko プレミアム”ですが、屋外FMアンテナを設置しましたので、地元のFM長野 と NHK-FMで充分との気持ちに変わりがありません。それでもradiko プレミアムで、久しぶりにJ-WAVEの“TOKIO HOT 100”を聴いてみました。FM長野 と J-WAVEは、正式開局日が全く同じ 1988年10月 1日です。
茨城に住んでいた頃、1988年 8月 1日の試験放送開始時からJ-WAVEを聴いており、開局前 40番目のリスナーだという、J-WAVE発行のナンバリング受信確認証を頂きました。今でも大切に保管しています。ですから 1988年10月 2日の“TOKIO HOT 100”第1回放送も、私は聴いています。順位は 発表せず、前夜祭の様な感じでした。
翌週 10月 9日 放送が、正式には第1回のチャート発表となりました。邦楽は、氷室京介やサザンオールスターズなど数曲で、残り 95曲以上が、全て洋楽という結果でした。そして10月16日 放送は、試験放送の時報前に必ずオンエアーしていた Richard Palmer“Across The View”が、72位にランクしたのを強烈に覚えています。
あれから26年。ジョンカビラ・ジェームス天願・キャロル久末 そしてクリスペプラーと、開局当時の主力ミュージック ナビゲーター達の中で、開局以来 休みなく通して出演しているのは、日本語の語彙選択が極めて正確なバイリンガルである、クリスペプラーただひとりです。クリスペプラーは、“TOKIO HOT 100”を、開局以来 26年間続けています。
J-WAVEの開局当時、日曜日の午後は、QR文化放送で「決定!全日本歌謡選抜」というベスト50を発表する人気邦楽チャート番組があり、横井宏・常行和夫 両氏の編成陣は、この番組に対抗すべく一気に 100位まで拡大したチャート番組を開発したのだと推測できます。ですから、開始時間は 午後 1時と全く同じで、放送枠が ほぼ一致していたのです。
私は、“TOKIO HOT 100”が、ヒットチャートを発表しているのではなく、チャートに擬似したステーションの順位付きプレイリストを、100曲発表しているのだと思っています。現在コンセプトを「今、東京で最もヒットしている曲や、リリース前の未来のヒット曲 100曲」と説明していますが、未来のヒット曲は 間違いなく、今 ヒットしていません(笑)。
ラジオチャート番組の本質は、全ての選曲を聴取者に委ね、今 最も多数の聴取者が満足する選曲を、統計学的手法で客観的に行う事にあります。ラジオチャート番組の人気が出ても、この本質が解らないスタッフが制作担当すると、途端に番組の構成を変えてしまい番組は 潰れてしまいます。全国のラジオ局で、私は リスナーとして、この様な場面に沢山立ち会ってきました。
例えば“TOKIO HOT 100”の主要データである「全番組のオンエアー」ポイント。1回のオンエアーで 1ポイントを与えると、1位のオンエアーポイントは、せいぜい週 20ポイント以内となり、明確に順位がつくのは 5 ~ 6位止まりです。圧倒的多数の 1ポイント楽曲が毎週発生しています。放送時間帯ごとにポイントの加重を行っても結果は ほぼ同じです。
100位まで順位を算出する“TOKIO HOT 100”は、ヒットチャート番組として 根本的な構造矛盾を抱えているのですが、ラジオ放送局のオフィシャルチャートを、1週間のオンエアー回数に求める事は正答なのです。音楽ステーションとしてのカラーに基づき、人気楽曲 と その順位を独自に提示すべきであり、それには 最もオンエアーされた楽曲群が値します。
本来ならば順位が明確な毎週トップ 5程度を、オンエアー回数により発表するチャート番組が理想となるはずです。J-WAVEの場合、それに旧態のCDセールスやリスナー投票などで引き伸ばし(笑)100位まで発表しているのですが、AIRPLAYを主要データとする基本的考え方に立脚しているからこそ、26年間 番組の人気を維持しているのだと思います。
ただ現在JFL 5局で、日曜午後のHOT100を発表しているのは 3局だけになってしまい、100曲チャート番組は 陰りが見えてます。されど放送が 26年以上続いている事実からも、前述のAIRPLAYの考え方を踏まえたチャート番組は、制作者がラジオチャート番組の本質を理解し続けている限りにおいて、紛れも無く長寿番組のコンテンツなのです。