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♪ 少し旋律が平坦ですが、和声は 整っている劇伴。
昨年 1月 総務省が決定した「AMラジオ放送を補完する FM中継局に関する制度整備の基本的方針」に基づき、今年に入ってから全国にAMラジオ局のFM同時放送が、一気に普及する様相を呈してきました。5年前には、考えもつかなかったFM電波に関する国策変更の動きです。このFM同時放送をする新たなAMラジオ放送の中継局を「FM補完中継局」と称しています。
総務省の「放送ネットワークの強靱化に関する検討会」が、中間とりまとめで、初めてAMラジオ放送のFM同時放送容認を提言してから、まだ僅か 1年 6ヵ月程度ですが、FM補完中継局の置局は、一気に進んでいます。現在までに RNB南海放送(愛媛県)KNB北日本放送(富山県)MBC南日本放送(鹿児島県)で、AMラジオのFM補完放送がスタートしました。
その後も全国でFM補完中継局の予備免許交付が進んでおり、特に東京のTBSラジオ・QR文化放送・LFニッポン放送では、東京スカイツリーから出力 7Kwで、来年春にFM補完放送を開始する事が決定しました。これらの急速な流れの中で、改正された基幹放送用周波数使用計画や、電波法施行規則を精読していくと、FM補完放送の重要なポイントが見えてきます。
第1は、FM補完中継局免許の条件として、申請にあたり当該県域FMラジオ事業者との調整の結果を示す資料を、添付する事が要求されている点です。全国にあるJFN加盟局としては当然な条件ですが、文意を汲むと 調整協議の事実を証明する必要はありますが、当該県域FMラジオ事業者との最終合意までは 求められていないのではないか? との解釈が成り立ちます。
第2に、首都圏・関西などの広域を含む全都道府県へ、FM補完放送の周波数割当が 現在されていますが、2020年(平成32年)3月31日までに、FM補完中継局が置局されない時は、未使用の周波数を削減する点です。必要のないFM補完局の周波数割当は 取り消すとの政策が明確ですが、裏を返せば この期限までに、FM補完局の普及を一気に促進させる効果もあります。
第3に、補完周波数の割当は、民放AM局を原則対象とし、NHKラジオ第1放送に割当されていない点です。NHK-FMの存在を、総務省は 補完とみなしているのかも知れません。一連の動きで私が特に驚いたのは、RNB南海放送が、このFM補完局の開局準備に合わせて、伊予市の本局送信所 と 新居浜 中継局で、同一周波数によるFM同期放送の実験を行った点です。
このFM同期放送が きっかけとなり、本局だけでなく中継局にも、AM局のFM補完放送が 一気に広がる可能性もあります。私は、FM長野の周波数を、送信所・中継所総て 79・7MHzに統一して、中継局のエア受けをデシタルの独自波にすればいいと思っていましたが、まさか そのアイデアの端緒が、FM補完中継局の構想に先取りされるとは思ってもみませんでした。
またFM補完放送が認められた 90・1 ~ 94・9MHzが受信できるラジオの普及は、時間がかかると思っていましたが、各メーカーが 95MHzまで受信可能な機種を、一気に発売したのにも驚きました。私が愛用しているチボリオーディオは、外国製のラジオですが 既に対応を開始し、モデルワンなどは、95MHzまで受信可能な機種を投入するとの事です。
AMラジオのFM補完放送など、従来の電波行政からは、絶対に許されなかった構想です。まさしく既存FM局を守る護送船団方式から逸脱した施策なのですが、国土強靭化という新しい国策の名の元に、急速に進んでしまった背景には、やはり東日本大震災がターニング ポイントになっており、東日本大震災がラジオメディアを根本から変えてしまった気がします。
TOKYO FM とJFNが進めている、V-LOW マルチメディア放送は、厳しい開局条件が影響してか、まだ免許申請の段階まで至っていません。AMラジオ局が、これからFMへ進出してくるのです。JFN加盟局全体が、FM補完放送構想を凌ぐ、公共公益性に立脚した番組編成の根幹の変更を含めて、FM補完放送に対しての早急な対策は、必要だと思われます。
長野県にも、SBC信越放送を対象として 92・2MHzがFM補完局用の周波数として割当られています。FM長野リスナーの私としては、この 92・2MHzの行方も大変気になりますが(笑)長野県のラジオ放送は、事業者間が微妙なバランスの上で成り立っており、民放ラジオ放送の広域化問題も絡む中で、2020年 3月までに果してどうなるのか? まだ不透明です。
(追記) 2017年 3月30日に 総務省は、SBC信越放送に対して、FM補完中継局を整備を目的とする、民放ラジオ難聴解消支援事業の補助金交付を決定しました。これによって、SBCラジオのFM補完中継局設置が確実になりました。
(追記) 2017年12月19日に 総務省信越総合通信局は、SBC信越放送に対して、SBCラジオのFM補完中継局 3局の予備免許を付与しました。長野局(美ヶ原)出力 1KW。高ボッチ局(塩尻)出力 100W。飯田局 出力 100W。私は 高ボッチ局の置局構想に大変驚きました。サービスエリア内の世帯数は、なんと長野局(美ヶ原)を超えています。
(追記) 週間放送視聴日記(2018年 3月 9日)に、AM・FM補完の非サイマル放送を掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2019年 8月16日)に、FM補完中継局 総ての置局確実にを掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2019年 9月 6日)に、民放AMラジオ放送廃止へ を掲載しました。
(追記) TOKYO FM(エフエム東京)は、2019年10月 8日に、V-LOW マルチメディア放送事業からの撤退を発表しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2019年10月11日)に、V-LOW マルチメディア放送(i-dio)終了 を掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2020年11月13日)に、民放AMラジオ放送廃止の実証実験原案 を掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2021年 8月27日)に、民放AMラジオ44社が停波してFMに を掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2023年 6月 9日)に、AM停波 第1次実証実験に不参加続出 を掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2023年11月10日)に、KRY山口放送から始まるAM局のFM転換 を掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2024年 3月15日)に、AM停波 第1次実証実験の先にあるもの を掲載しました。
(追記) 週間放送視聴日記(2024年 5月10日)に、AM停波 実証実験で radiko が除外される理由 を掲載しました。